「一般社団法人 日本ロジスティクスシステム学会」の概要
現代社会に於いてロジスティクスシステムは、広く地球環境や天然資源をも含め、経済、社会、科学技術あるいは 生活者に到る全てに有形、無形の係り合いを持って居ります。
世界経済はボーダレス経済を前提とした、大競争時代に突入し、国内戦略とグローバル戦略との特性を積極的に活かしつつ、グローバル競争力の強化に力点を移行しなければならない時代に突入しつつあります。
21世紀は、地球全体としてのマルチメディアネットワーク社会の形成を軸として、グローバリゼーションの進展は加速化し、これを支援する物流、ロジスティクスは、今日とは比較できないほどその重要性を増しつつあります。
特に本来のロジスティクスシステムに加えて、エコ・ロジスティクスシステム、リバース・ロジスティクスシステムあるいはサイバー(ヴァーチャル;仮想)ロジスティクスシステムのポジションは内外経済の中でその比重を益々高め、ロジスティクス競争力の強化こそが来るべきボーダレス大競争時代を克服する主要な因子になるものと確信致して居ります。
周知のように、ロジスティクスシステムは社会科学と自然科学との調和と融合とを恰も車の両輪の如く要請する領域であり、学際的なアプローチが不可欠な領域として成り立つ分野であります。換言すれば、ロジスティクスシステムは都市・環境、情報、機械、O.R、土木・建設、交通、管理、コスト、調査、戦略、人事・組織などについて、サイエンスとエンジニアリングとマネジメントのサイドからシステムとしてインテグレートしなければならないという基本的且つ構造的体質を本来のものとして居ります。
加えて、実態としてのロジスティクスは、リアル及びサイバー・ロジスティクスを含めて理論と実践との結合を強く求め て居ります。すなわち、単なる抽象理論や実践論の探求のみではなくして、抽象理論の具象化と具象的事実の抽象化をも含 む研究と実践が要請されているものと推察致して居ります。具体的には学際的見地から理論の研究を極め、その現実への応 用を追及する一方、現実実態から謙虚に学び理論的研究へとフィードバックするという相互作用機能を産学官民間にビルト インし、理論と実践の総合的且つ健全な発展を実現することにあります。かかる観点からしますと、社会科学と自然科学の 統合を前提として、理論と実践のブリッジ(結合)機能としての役割を担う機関の確立が焦眉の急務であり、これを早期に 実現することはロジスティクスに関係する者の責任であり、責務でもあるものと考えて居ります。
そこで、ロジスティクスをロジスティクスとして正面から捉えわが国に於けるロジスティクス理論の研究と実務への応用 を第一義的な目的として、併せて、研究成果や理論の内外への伝播、産学官民共同プロジェクトの推進、国際社会に於ける ロジスティクス分野でのリーディングエッジテクノロジーのみならず、カッティングエッジテクノロジーの基盤形成とリー ダーシップの確率、グローバリゼーションに対応した積極的な国際交流の促進と国際会議の開催を通して国内はもとより広 く国際社会発展のために貢献し、寄与すべきであるものと確信致して居ります。
高邁な理想を掲げましても、現実的には産学官民一体となって物流、ロジスティクス、SCMの研究とその実践への応用を学際的に推進 し、国内の地域を通して一歩一歩着実に実施し、当該分野の研究と応用の基盤形成確立のために進むべきことが最善の策で あるものと考えて居ります。従って、既存の関係学会あるいは関係諸団体とは連絡を密にし、共存共栄を常に念頭において 行動する所存で居ります。
上記趣旨につきまして、関係各位のご理解とご賛同を賜り積極的なご参加を切望する次第です。